永井宏 「夏みかんの午後」 (信陽堂)
エリはいろいろなものを切り捨てて、
葉山でシンプルな暮らしを始めた。
海辺での暮らしは、必要なものと必要でないものをはっきりと分けてくれる。
主人公は何かが始まる予感を胸に東京を離れ、海辺の町・葉山で暮らしはじめたフードスタイリスト、志田エリ31歳。大都市と郊外、何かに追いかけられるような時間と、手を動かし、ものを作るささやかな生活……自分の価値観とともに海辺に暮らす人々と出会い、少しずつ解放され自分の時間を生きはじめた女性の姿を描く、すがすがしい短編。20年以上の時を経て、なおこころに響く海辺のフォークロアです
(信陽堂 webより)