文・木版画：太田二郎　編・デザイン：太田尚子 　「冬の光」　（版画工房フェンリル） 「わしは世の中の誰もが見たこともないような 壮麗で美しく、さらに天まで届くほどの高い塔を造りたい。 その塔はかつてない世にも珍しい建物であるからして、 礎や外壁は誰もが驚くような材料を用い、 建物の中を遥か頂きまで連ねる幾百万段の階段は 天国への道行きかと見まがうばかりに飾り立て、 塔の最上階には先祖伝来の王冠を捧げようと思う」 ・・・かつて王様であり、また乞食でもあった男の数奇な物語。 （本書より）